MVP in Manchester United

はじめに

今シーズン,Manchester Unitedで香川が苦戦してます.出場機会が得られず得点もアシストもない香川に対して,我々ファンは,

  • 香川は得点には絡んでないが,中盤のつなぎ役として良い仕事をした
  • 香川が居たらもっと良い試合ができたはず
  • 守備もできないヤヌザイが香川の代わりに重用されるのがわからない

などモヤモヤする気持ちをもって応援してますが,実際にはどうなのかを検証してみました. まずは,最もチームに貢献しているPlayerを見つけてみます.

検証方法

各プレーヤーについて,出場時間(Playing time)と,出場時のチーム得点数(Goal For),チーム失点数(Goal Against),チーム得失点差(Goal Difference)の相関を分析しました.各個人のGoalではなく,チームのGoalという点がポイントです. プレーヤの出場中に,チームの得点が多く,得失点差が+である場合は,そのプレーヤがたとえゴールに絡んでいなくても,そのプレーヤの評価が高くなります.一方,プレーヤが個人として得点をとっても,チームとしての得点が少ない場合は,そのプレーヤは評価されません.

  • 出場時間

出場してから,試合終了もしくは交代する迄の時間を積算しました.ただし,幾つか例外があります. 試合のロスタイムは考慮していません. また,レッドカードで退場になった場合は,その試合に試合終了まで出続けたとみなしました. これは,レッドカードになった選手が数的不利の試合から外れることで有利に評価されることを防ぐためです.

  • 対象試合

対戦相手によって得点の難易度は異なりますが,今回はそれは考慮しないこととしました. 対象の試合は2013−2014シーズンの3月迄のPremiere League28試合を対象としました. データは, http://www.bbc.com/sport/ から取得しました.

チーム得点数

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若干Januzajが優れていますが,全プレーヤの出場時間とチーム得点数の相関は高いです. そのため,だれが出場しても,それなりに得点を上げることが期待できます.

チーム失点数

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全プレーヤの出場時間とチーム失点数の相関は高いです. Young, Welbeck が出場中に若干悪い傾向が有りますが,特定プレーヤの守備力への影響は少ないと言えます.

チーム得失点差

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チーム得失点差に関する相関は,前2つと比べて低いです.そのため,特定のプレーヤが得失点差の改善に寄与しているといえます.

JanuzajやAntonioValenciaが出場中は,得失点差が平均よりだいぶプラスにあります.特にJanuzajの出場中はその傾向が顕著です. 一方,YoungやNaniが出場中は,得失点差が平均よりだいぶマイナスにあります. 我らが香川,新加入のMataは平均的といえます.

チーム得失点差の観点では,MVPは(以外なことに)Januzajです.この結果を見せられるとモイーズ監督が彼を重用するのも納得せざるを得ません.

Manchester Unitedでは,Januzaj, AntonioValencia,Young, Nani といった,ウイングの選手の出来不出来がチーム得失点差に寄与していることが分かります.これは,サイド攻撃重視のモイーズ監督の方針が現れているのかもしれません. また,NaniやYoungといった悪い結果を残している選手は出場時間が短く,Januzaj,AntonioValenciaといった良い結果を残している選手の出場時間が長いことがわかります.これを見ると,モイーズ監督は選手を正当に評価していると言えます.

まとめ

チーム得失点という観点では,香川のライバルのJanuzajがMVPとなりそうです.また,Januzajがモイーズ監督から高く評価されていることを考慮すると,この検証結果はある程度妥当性があると考えられます.この検証によりより多くのモヤモヤを明らかにできると考えます.